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作 品 名石橋の家
所 在 地 大阪府池田市
施 工 (株)徳岡工務店
建築要素大理石貼ガラスブロック・ハイサイドライト・ドラフト効果・家庭用コージェネレーションシステム

コンセプト

敷地は千里丘陵の西端、待兼山のふもとにあります。かつて枕草子などにも詠まれた歴史ある地域は、閑静で緑豊かな住宅地となっており、野鳥がさえずり、さわやかな木々の香りに包まれる場所です。その豊かな外部環境をいかに住環境の中にとり入れるかがテーマとなりました。玄関へは高低差を生か緩やかにカーブしながら植栽の間を抜け、余韻を持たせつつアプローチします。廊下を抜けると交友関係が広く来客の多い建築主が特にこだわった集いのスペースです。南庭に面した開放的なリビングに導かれます。このリビングを中心に和室・ダイニング・キッチンが連続して配され、視線の展開による奥行き感が空間にゆとりをもたらしており、間仕切りにより自由に空間を構成できるようにしました。煌めく陽光は周囲の木々によりゆらゆらと揺らぎ、西面の大理石貼ガラスブロックによって室内に柔らかく透過されます。また、サルスベリなどの既存樹木を適所に移植し、近景遠景の風景とともに窓から望むシーンのバランスを考えながら配置された開口部に彩りを添えました。薫る風は外観を特徴づけるハイサイドライトからの優しい光とともにドラフト効果を生み出し、住戸内をさわやかに駆け抜けます。構造は諸室の機能と空間の大きさに応じた形式を採用するため混構造とし、耐震性能にも配慮し、家庭用コージェネレーションシステムにより環境負荷の軽減をはかりました。また家具を含めた造作部分には触感を重視して温かみのあるディテールとしています。恵まれた自然環境を生かし、そのとり入れ方にこだわれば住空間は楽しく居心地の良いものとなります。