より良い公共建築をサポート

国および地方公共団体などの公共建築は、建築文化、都市文化、地域文化などの拠点としてだけでなく、防災拠点などとしての役劃を担っている。よりよい公共建築をサポートする国土交通省官庁営繕部の役割も、重要性を増している。こうした中、働き方改革、生産性向上のため、適正な工期設定の推進、営繕工事での現場閉含む週休2日工事のモニタリング実施といった施策に加え、BIMの活用拡大、ASPなどの情報共有システム、電子小黒板の本格的な活用、施工合理化技術の導入推進などと、多様な施策展開を図っている。下野博史官庁営繕部長に、「官庁営繕の役割と課題について」を聞くとともに、大森文彦東洋大学教授に「公共建築の新たな使命と役割」について提言を寄せていただいた。併せて各地の特徴的な公共建築をピックアップして紹介する。

働き方改革なども積極推進
国土交通省官庁営繕部役割と展望

会津森林管臨南会支署

会津森林管理署南会津支暑の既存庁舎は、建設後55年を経過した鉄筋コンクリート造の建物で、必要な耐震性能が不足しており、各設備も老朽化が進行していることから、来庁者および職員の安全・安心の確保並びに執務環境改善のため、既存庁舎を取り壊した上で、周敷地内に木造庁舎を新営するものです。施設は、福島県の南西部に位置しており、会津地方の南の玄関口となる地域で、特別豪雪地帯に指定されていることから、雪国に配慮した高床式の断面構成、落雪計画とするとともに、計画地周辺の集落に多く見られる屋根形状をデザインに採り入れ周辺景観との調和に配慮した意匠計画としたほか、構内の機械除雪を行いやすい配置計画とするなど、多雪地においても維持管理・保全しやすい施設整備となるよう配慮した計画としています。また、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を踏まえ、構造形式を木造(CLTパネル工法)とし、内装の木質化を行ったほか、暖房熱源にペレットボイラーを併用するなど、積極的な木材活用を目指した施設整備を行います。

東北地方整備局営繕部
▷所在地= 福島県南会津郡南会津町山口字村上867ほか
▷構造・規模=木造平屋建て463平方㍍
▷設計=徳岡設計
▷工事監理= 三輝設計事務所
▷建築工事= 会津土建
▷電気設備工事= 東京エネシス
▷機械設備工事=八ツ橋設備
▷工期=2020年10月-21年7月

建設通信新聞 2021年(令和3年)5月18日(火曜日)