ゆずり葉の歩み

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『建築人賞』を創設~機関誌「建築人」における取り組み

image021建築士 2009.10

 大阪府建築士会では毎月機関誌『建築人』を発行し、会員への情報提供と誌面を通じての交流の場を設けている。同時にホームページを充実させ、相互連携させて迅速でタイムリーな情報を広く市民に提供するとともに、さらなる活性化のためにメールマガジンの配信を始めている。
 会員の手元に同封されてくる、誌面印刷された『建築士』と内容的に遜色がなく、いつも手元に置いていただき、「建築生活の身近な情報誌」として親しまれるよう常に創意工夫を続けている。建築界の情報に差異をつけることなく、読者からの視点で提供し、大韓建築士協会・釜山広域市建築士会との交流関係を生かしてそれぞれその会員と新しい建築作品を相互の媒体で取材して交流を深めたり、各地域会員の取材による「大阪建築まちあるき」では何気なく見過ごしがちな「まちの宝物」ともいうべき建築空間を歴史的背景とともに連載するなど、独自の企画を続けている。
 経済のみならずマスコミも東京一極集中する中で、建築文化の進展をはかる上での、会員同士の相互研鑽の場は縮小しているかのように思われる。かつて近畿の2府4県が永年力を合わせて編集発行してきた機関誌『ひろば』が、さまざまな事情により廃刊に至ったのも残念な一例ではあるが、その意義と経験を継承発展すべく、日々会員の求める誌面づくりに取り組んでいる。関西の土壌が生み出すこだわりのある建築空間が中央雑誌の誌面から姿を消していったのは、決して技術力の低下や人材流出のためだけではないと信じたい。そのため今年度から誌面に掲載された建築の中から優秀作品を顕彰する「建築人賞」を創設した。建築の公共性に鑑み、審査委員長は著名な建築ジャーナリストにお願いし、委員ならびに関係者は選定には関与しない公正公明な審査方式をとった。そのせいか誌面に参賀する作品も徐々に増えている。今後も引き続き、首都と地方空港が結ぶ交通網のような点と点の繋がりではなく、線=まちなみ、面=地域としての情報伝達を大切にしていきたいと考えている。
徳岡浩二

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『潤生園在宅介護総合センターれんげの里』が『JIA現代日本の建築家』に掲載されました。

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潤生園在宅介護総合センター「れんげの里」詳しくはこちら

コンセプト

風景との調和に配慮して「みんなのいえ」を象徴する大屋根と小田原の伝統的な漆喰壁の外観デザインとし、耐久性とエネルギー負荷低減のため外断熱工法を採用した。
1階を30名のデイサービス及び介護人材養成の為の研修室や事務室、上階を40床のショートステイとした在宅介護支援総合施設である。
居室は高齢者に親しみ深い日本民家における四つ目型プランを規範とし、ハイサイドライトを設けた通り土間のような半外部空間から内側の各室に採光する個室型4床室を基本とした。
また将来の福祉施設の変化にともなう増改築や設備配管の更新・増設に考慮し、構造体(鉄筋コンクリート厚肉床壁構造)の外周壁も包まれた内側に、木造の居住ユニットを組み込んだスケルトン・インフィルによる長寿命建築を目指した。
「家庭を中心に考えて社会奉仕するのが社会福祉法人」という建築主の強い理念に応え、補助金に頼らず高齢社会への経済負担の軽減と「長寿を支える生きがいとは何か」を追求した施設である。

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『フォレスタふじ』が『現代日本の建築vol.3』に掲載されました。

フォレスタふじ

フォレスタふじ

富士生涯学習センター「フォレスタふじ」詳しくはこちら

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時代にあった教育の必要性について

はぐくみ 「教育とは生きる力を養う」ということと考えるが、毎年多くの人々が自ら命を絶つという現状を思うと、残念ながら戦後教育に問題があると言わざるを得ない。限界を克服し、困難に打ち勝つ能力に、なぜ衰退が起こったのであろうか。

 家族社会、集団社会の我が国は、西欧と比較して自立年齢が遅い、また場合によっては一生自立せずに生きていける。大人になりきれていない若者とはニートに限ってのことではない。しかし一世帯当たりの人口は減少傾向にあり、西欧先進国のように二人を切るのも時間の問題であるから、教育に孤独への備えは必須である。良き友人や生きがいを見い出す能力は、経済や地位に左右されない青春時代にこそ身につけておきたい。情報化社会において知識を習得するのには在宅でも可能であるから、同世代の子どもたちが、集まって学びあう空間である学校の役割を活かし、交流、発表など、あらゆる機会を通じて友情を深め合い、自立心を高めさせるよう努めなければならないだろう。国際化の中で、日本社会はますます厳しくなる。東京では10組に1組が国際結婚ということから考えても、単純労働者を受け入れない我が国の保護政策が崩壊するのも近い。これからはヨーロッパ並みの「人種間競争を生き残る能力」が不可欠である。その上、今の子どもたちは高齢化社会という重荷を背負ってこの厳しい環境に立ち向かっていかねばならないのだ。 

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<オランダ通信> 水辺の国土計画と水辺都市

建築人 No.538 2009.4
オランダにおける都市・住宅整備と水辺利用 / 鈴木 綾香

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はじめに
 神は世界を造りたもうたが、オランダはオランダ人が造った―これは、オランダ人が胸をはって口にする有名な言葉です。またこの言葉は、13世紀から始まった干拓事業をはじめとする治水政策が、オランダ都市計画史の中でどれだけ重要かを示しています。本稿では、オランダの都市計画の特色と、2008年10月に芝浦工業大学・松下潤教授によるオランダ調査研究旅行へ同行した際に訪れた、新興住宅地をはじめとするオランダの水辺住宅について紹介します。

国土と水環境
ライン川下流の低湿地帯に位置し、国土の1/4が海面下にあるオランダでは、古くから高潮の被害に悩まされてきました。オランダの国土は関東平野とほぼ同じ面積ですが、その多くが、遠浅の海岸に防波堤を築き、風車で水を汲み出して農地としたポルダー(polder)と呼ばれる干拓地です。アムステルダムから西、あるいは北へ向かう車窓からは、都市部を過ぎた頃から見渡す限りの田園風景が広がります。線路や道路のすぐそばで放牧されている牛、馬、あるいは羊やガチョウなどを囲う柵はほとんど見られず、細い水路が田圃のあぜ道のように縦横に走っているだけです。しかも水面と放牧地との高低差はほとんどなく、雨が降れば溢れそうにも見えます。どこまでも広くぬかるんだ緑の農作地帯が、オランダ人にとっての原風景でしょう。
 首都圏のすぐそばに位置するこの広大な緑地は、その形状からグリーンハートと呼ばれ、ランドスタッド(Randstad/首都圏域)内で土地利用制度により保全されてきた地域です。オランダの国土計画は、関係する複数の省庁が連携して策定され、それに即す形でBmプラン(Bestermmingsplan)が市町村にて策定されます。これには、治水・環境・農業など全ての見地から制約される土地利用規制が含まれており、該当する地区のBmプランだけで、用途地域・建築行為の可否などを一元的・網羅的に照会できる仕組みになっています。オランダは、グリーンハートの保全をはじめ、環境と治水、土地利用管理を一体的に捕えた政策的な取り組みが、比較的早くから見られた国なのです。

image2都市計画と水辺
 オランダの干拓の歴史は高潮対策から始まりましたが、1958年のDelta Actにより、北海の沿岸に強固な防潮提が築かれて以降、高潮対策と都市計画・河川関係の治水は別々の計画が策定されています。現在、オランダの内水対策で重要視されているものが、21世紀の水管理政策に記載されている、”retain(保水)→store(貯留)→drain(排水)”の原則です。これは、降水量の増加に対してやみくもに雨水を排除するのではなく、まずは保水、その次に貯留するよう呼びかけ、水を受容することが治水の新しい理念であると謳ったものです。この考えは、主要な国土計画である国土空間戦略(spatial/physical)にも記載され、同時に、住宅地を開発するにあたって、治水を通じて水と緑を取り入れるように奨励されています。昨今では、こうした状況下で治水上整備される水辺(保水空間)が、憩いのスペースとして住宅の付加価値となり、既成市街地の周辺で水辺環境の整備された新しい住宅地が開発されるようになりました。以下に、その一例を紹介します。

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