

美しく、丈夫で長持ちし、時代を超えて役立ち、人々に愛着をもたれ、新しい風景として生き残っていける建築は、どのようにしたらつくれるのだろうか。
徳岡 昌克
軒先の収まりにしても、青海波にしても、作者の施工に対する配慮は、いわゆる形だけに見栄を張る現代の建築家たちとは、ひと味違う視点があると思えた。
内田 祥哉 (東京大学名誉教授)
田園地域にある徳岡さんの建築を巡る時間は目が洗われるような美しい風景の連続であった。
そのような中に現れた徳岡さんの「田園の建築」は風景を色鮮やかに彩っていた。
石堂 威 (都市建築編集研究所)
徳岡の作品は、伝統的な家並みが残る街中にあっても、田畑の広がる田園地帯にあっても、大地から生えてきたかのように違和感なく環境に溶け込んでいる。 一方でその建築は、周囲の建物と異なっており、目を引く。建築作品集で多用されることは少ない写真だが、地域に溶け込みながらも個性を持つ徳岡の作品を表現するには、ふさわしい写真であるといえるだろう。
笠原 一人 (京都工芸繊維大学大学院 助教授)
建築と社会(日本建築家協会)書評 時代の堆積 より
徳岡昌克=著 177頁 建築資料研究所社 2008年 2940円
