大原町の家

コンセプト

洋風スタイルの家に住み、東京や海外など多方面で業務を手がける建築主の要望は、真にくつろぐことのできる日本的な良さを生かした住まいでした。両親と共に若き日を過ごした旧家（母屋）が解体されることになったため、懐かしいシーンを新しい住まいに再生し、味わいのある住環境を創出することがテーマとなりました。時がもたらした美を、新たな材料と空間に共生させ、貴重な材料を後世に伝承するため、旧家屋の部材を幾度となく実測、記録して設計に盛り込み、完成まで建築主とともに試行錯誤を繰り返しながら、設計監理に努めました。慣れ親しんだ形態や風合いを生かすため、新材は自然塗料（柿渋・ヤシャ等）により色合わせ（エイジング）し、珪藻土くし引き仕上げの土壁を採用して人体に優しい室内環境創りにも気を配っています。