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高優賃貸住宅「ベルデ石切」の取り組み/2003.5.30建設通信新聞

 ◇高優賃貸住宅「ベルデ石切」の取り組み

ベルデ石きり

ベルデ石きり

:制度活用し低コスト・高サービス  高齢者向けの新しい住宅供給システムとして高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)制度が注目されている。
2001年施行の「高齢者の居住の安全確保に関する法律」にもとづき、民間事業者に対し国・都道府県が建設費・入居費を助成する。

 

: 選べる間取り  従来の特別養護老人ホームと異なるのは、間取りや広さを入居者が選択できるなど、ユーザーである高齢者の自主性が確保されている点だ。大阪府東大阪市西石切町に完成した「ベルデ石きり」は、高優賃制度のほか都市基盤整備公団の民営賃貸用特定分譲住宅制度(民賃制度)などを活用することで建設コストと入居者負担を軽減、公的サービスと民間事業者の利点を生かした低コスト・高サービスの高齢者向け住宅を実現している。

 ベルデ石きりは、高齢者の自立を基本とし、入居者が従来どおりの生活を営めるよう所持品を多く持ち込むことを想定した内部空間となっている。近鉄新石切駅前の至便な立地に加え、西側には生駒山系をのぞむロケーションにも恵まれている。設計を担当した徳岡昌克建築設計事務所の徳岡浩二社長は「現在の高齢者福祉は、重度の介護に力点が置かれているが、その一方で比較的健康な高齢者が自立した生活を営むことができる環境についてはいまだ不十分なまま。高齢者が尊厳を持って生活できる空間を追及した」と話す。

img02 規模はRC造6階建て延べ4828平方メートル、52戸。大きな特徴のひとつが、間取りの多彩さだ。部屋は1LDK から納戸つきの2LDKまで5タイプを揃えた。専用面積も1LDKで約52平方メートル、もっとも広い納戸つき2LDKは約75平方メートルと、狭さ・画一性という従来の高齢者住宅の課題を克服している。高優賃による家賃補助制度で、実質的な家賃は6万円から11万円程度に抑えられる。「入居者の大半は、東大阪市など近隣地域からの人が占めている。広い部屋から入居者が決まっていった」という。
 

 各部屋の居室・トイレ・浴室には24時間緊急通報システムを完備、緊急時には管理人室に常勤のライフサポートアドバイザー(LSA)が駆けつけるシステムとなっている。休日・夜間でも近隣の介護老人保健施設が対応する。
 

:3種の補助金申請  ベルデ石きりには民賃制度、高優賃制度のほか、太陽光発電や雨水利用による環境共生住宅市街地モデル事業、21世紀都市居住緊急促進事業の補助金制度を活用している。 これら補助金制度の活用で事業費を抑制「建設費の十数%をまかなった」。さらに「民賃制度により公団の資金を固定金利で利用でき、ノウハウや技術的な支援も得ることができる。また家賃補助制度など、民間施設でありながら公営住宅的な側面ももちあわせている。」徳岡事務所は公営住宅や公社住宅を手がけてきた経験上、これら各種の補助制度には精通しているが、「建築、事業計画と平行して3種の補助金交付申請を進めるのは大変だった」と苦労もあるようだ。

 

img03徳岡氏は「高優賃住宅自体がまだ少ないためか、役所のシステム上、高優賃が住宅としても福祉施設としてもまだ位置付けられていない。また民間事業者が整備する福祉住宅のプログラムに、公的な補助制度を適用させる方法自体もあまり知られていない」と指摘する。「私自身、祖父の介護や長年母が民生委員として苦労してきたことなどから、地域で高齢者を支える福祉のシステムが疲弊していることは実感している。だが、行政のサービスにもコストの観念が求められているし、民間のサービスにも公共的な視点が欠かせない。ベルデ石きりのような、公共と民間の枠組みを超えた取り組みが今後も増えるのでは」と話す。

 

以下の新聞に掲載されました。

建設通信新聞2003.5.30

建設通信新聞2003.5.30

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