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『大原町の家』が『hiroba』に掲載されました

hiroba-20001

大原町の家 / 2000.1 hiroba

 洋風スタイルの家に住み、東京や海外など多方面で業務を手がける建築主の要望は、真にくつろぐことのできる日本的な良さを生かした住まいであった。両親と共に若き日を過ごした旧家(母屋)が解体されることになったため、懐かしいシーンを新しい住まいに再生し、味わいのある住環境を創出することがテーマとなった。時がもたらした美を、新たな材料と空間に共生させ、貴重な材料を後世に伝承するため、旧家屋の部材を幾度となく実測、記録して設計に盛り込み、完成まで建築主と共に試行錯誤を繰り返しながら、設計管理に努めた。
 慣れ親しんだ形態や風合いを生かすため、新材は自然塗料(柿渋・ヤシャ等)により色合わせ(エイジング)し、珪藻土くし引き仕上げの土壁を採用して人体に優しい室内環境創りにも気を配っている。
 吟味の上採用された愛着のある貴重な材料を一代限りで廃棄することへの抵抗を、再生コスト、意匠性など、総合的な価値観にもとづいて表現することを大切にした。
 外観は、軒先を押さえた簡素な切妻瓦屋根の構成とし、ガレージ上屋や軒樋は硫化銅の落ち着いた色調としている。 
 新生活を始められた建築主の「もう10年もここに住んでいる様です」という言葉に目的の一つが達成された様に思われた。

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