ゆずり葉の歩み

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『大阪市立港中学校』が「School Amenity」に掲載されました

大阪市立港中学校

School Amenity 1999.11
大阪市立港中学校

 学校数が非常に多い大阪市の中でも、老築化が著しかった港中学校が2期、足掛け3年をかけて改築され、平成10年12月に全施設が完成した。港中学校は、海遊館などのウォーターフロント開発が進む地域、しかも大阪市が立候補している2008年のオリンピックの会場構想地域の中に位置している。このような国際都市大阪を代表する窓口でもあり、アメニティ性を追求する周辺環境の中で、港中学校の新校舎も、ゆとりと快適さにあふれる未来型の校舎に生まれ変わった。

3角形の敷地を活かす
 港中学校の敷地は、3角形に近い特殊な形をしており、この中にグランドや校舎等などを規則的に配置するのはきわめて困難である。そのため、施設の配置はこの特殊な敷地にあわせた形をとらなくてはならない。
 港中学校の校舎配置では、この点を逆手にとり、校舎棟を3角状に接続して端部のない回遊性を実現。その内側に美しい中庭を設け、また外側を取り囲むように運動施設を配置して校舎棟と接続するなど、敷地の形状を活かした、特徴ある施設設計となっている。しかも、このように施設群を全て北側に集め、中庭の3角形を中心にしてコンパクトに集約することで、グラウンド部分をより広く確保することが可能となった。

ゆとりある空間
 校舎内部は、バルコニーやエレベーターホール、手洗い場、広さのある廊下部分など、ゆとりあるスペースを数多く設け、生徒同士や生徒と教師のコミュニティスポットになる場所が随所に点在している。玄関ピロティや中庭を回遊する廊下はオープンにし、開口部やトップライトなどを多く設け、校舎内の明るい空間づくりも配慮されている。

生徒の気持ちを考える
 新校舎に生まれ変わって以来、生徒の日常の行動や態度なども「大きく変わった」という。きれいな校舎にしてもすぐに汚されたり備品などが壊されたりするのではないかという危惧も一部にはあったが、実際に使用してみると予想以上に生徒が学校をきれいに大切に使うようになり、問題行動も驚くほど減少したのだ。そればかりか、生徒の私学への流出が目に見えて低下するなどの成果も現れた。
 だが何より、生徒が「自分の学校に誇りをもつ」ようになったということが、学校にとって一番の成果なのかも知れない。

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『千早赤坂村立保健センター・国民健康保険診療所』が「メディカルクオール」に掲載されました

千早赤坂村立保健センター・国民健康保険診療所自然と歴史に彩られた環境に立つ、1997年4月竣工の「千早赤坂村立保健センター・国民健康保健センターと診療所の複合体であり、合築によるメリットの得られる施設構成としながら、事務コーナーに併設した相談室、和室の待合、独自の手すり等、利用者の視点に立った工夫も随所に施した。


 保健所法の地域保健法への改組を受け、各自治体において保健センターを軸とした、地域保健対策の包括的な推進を図る動きが目立ってきている。「千早赤坂村立保健センター・国民健康保健診療所」もこうした流れを受けて、従前の診療所を建て替え、さらに保健センターと合築することで、相互連携による質の高い住民サービス提供を目指す施設だ。
 今回、敷地となった千早赤阪村は金剛葛城山系を背にした緑豊かな自然環境に恵まれており、同時に千早城跡、赤坂城跡を今に残す楠正成公ゆかりの地でもある。計画策定に当っては、豊かな周辺環境を再認識させる憩いの空間の創出を念頭に、なだらかな金剛山や城跡の穏やかな表情を施設の随所に反映させることを基本コンセプトとした。千早川と府道に挟まれた斜面の敷地のうち、地下部分は機械室、倉庫、駐車場として有効活用。地上部分は三階建てとし、一階のエントランスホールを各部門共通とすることで診療所部分、保健センター部分を一体化させ、合築メリットを最大限に活かす構成となっている。 more

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『能登川町総合文化情報センター』が日経アーキテクチュアに掲載されました。

能登川町総合文化情報センター

<抜粋>日経アーキテクチュア 1999.3
集落思わせるたたずまい ~三つの施設が連携を保つ~/森 清

 滋賀県能登川町は、琵琶湖に接する人口約2万3000人の町だ。水田が広がる風景を象徴するように「水・緑・人が輝く水車のまち能登川」をキャッチフレーズとする。縄文時代の遺跡をはじめ、多くの貴重な遺産が発掘されている場所でもある。
 こうした文化財の調査や整理、その紹介などを目的とする埋蔵文化財センター(埋分センター)、図書館、博物館からなるのが「能登川町総合文化情報センター」である。三つの施設が連携を保ちながら運営されていることが大きな特徴だ。
 例えば、博物館と図書館の二つのカウンターをつなぐように郷土資料のコーナーがある。その近くに端末が置かれ博物館で所蔵する約1万点の民俗資料の一部を検索し、実物を見ることができる。埋分センターも博物館で企画店などを実施している。
 なかでも博物館はユニークな施設だ。「いつも同じ物を展示しているのではリピーターは来ない。常設展示をやめて、住民の活動の場としても使ってもらおうと考えた。(図書館・博物館の館長を兼務する才津原哲弘氏)。97年11月のオープン以来1年間で、住民主体の展示も含めて47のイベントを開いている。
 三つの機能を包む建築は、土地にしっとりなじむように建つ。「敷地周辺にある集落は、よいたたずまいを残す。それらは風雪から自然発生的に生まれたもので、屋根が単純明快でシルエットが美しい」と設計者の徳岡昌克氏(徳岡昌克建築設計事務所)は言う。越し屋根をいただく大きな銅版の切妻は集落同様、降雪に配慮したものだ。また、それぞれの機能を分節して配置することで、集落との連続感を生んでいる。
 図書館ではワンボリュームの空間に大きく一般用と子供用の書架が並ぶ。「書棚の間に入っても周囲を見通せるオープンで大らかなスペースとした。地元の製品を使うことで、住民はより愛着を持ってくれるだろう」(徳岡氏)。屋根裏のタペストリーは朝でつくられた地場製品だ。
 徳岡氏は「建築がファッショナブルで、近寄りがたいものとなってはまずい」と主張する。サスティナブルであるための素材選び、省エネへの配慮など、流行に左右されないデザインスタンスが最近にあってはかえって新鮮に映る。

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大阪府立今宮高等学校の開閉式プール上屋について

大阪府立今宮高等学校

1997年3月[NO.6]ステンレス建築

1. 大阪府立今宮高等学校は明治39年3月、府立第10番目の中学校として設置され昭和23年4月、学制改革により今宮高等学校と改称、昨年創立90周年を向かえた府下屈指の伝統を誇っている。平成8年には大阪のモデルスクールとして総合学科が開設され、生徒一人一人の個性、創造性を伸ばすため自由な選択科目や少人数指導をとりいれた教育改革の中心的役割を担うこととなった。

 同校の改築設計にあたっての課題はその更新に当たり可能な限り学校運営に支障を与えず、尚かつその歴史と伝統にふさわしい校舎を設計することであった。旧校舎は日本建築学会による「建築学的に見て基調と思われる近代建築二千棟」のリストの中に、北野高等学校校舎とともに上げられており、縦線を強調したモダンな外観に特徴を持つ個性的な学校建築であった。新校舎はこの旧校舎と対峙して建設されることとなり、改築の意義を客観的に体現することが暗に求められていた。image01

2.配置計画
 配置計画にあたっては、近隣への影響の少ない国道側に校舎を設置する案と、旧プールのあった敷地南東面に建てる案など数案が検討されたが、大阪の南の都心にあり、心の切り替えをはかりうるアプローチが特徴的で、騒音や振動の影響の少ない後者の案が採用された。地上にあった旧プールは、外部からのガラスビンの投げ込みや不法侵入、グランド、道路、工場からの砂ぼこりや煤煙の混入などの問題が指摘されており、屋上化、屋内化への強い要望が当初からなされていた。当時府立高校として前例のなかった提案に対し、財政上及び他校との公平さが障壁となり、交渉は難航を極めたが同様の要望を持つ他の2校とともに認められる事となった。方針としての承認は得られたものの経済的、技術的課題は多く、屋上に設置することによる荷重、設備負担の増や実績をもつメーカーの少なさ(開閉システムに関する一般、個別認定取得工法、業者)また、屋内化に伴う法的配慮(2方向避難、防火区画等)など、短期間に検討すべき内容が山積していた。 more

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『国立曽爾少年自然の家』が「hiroba」に掲載されました

国立曽爾少年自然の家

国立曽爾少年自然の家

 国立少年自然の家は日本の学制百年を記念して始められた事業である。ここ曽爾少年自然の家は、全国に13ヶ所ある1つであり、昭和56年開所以来近畿・中部地区の大勢の少年たちに利用されている。
 計画地は室生、赤目、青山国定公園に位置し曽爾高原の麓、杉の植樹林に包まれている。
 建物の外観は軒先を低く押え、切妻屋根の直線的なデザインとし杉木立と呼応して軽快にスラブを支えるピロティの柱と共に構成はもとより色彩的にも周辺環境と調和させた。
 内部は、活動スペースにおけるアクティングエリアを十分確保しながら、両サイドからの均等な通風採光だけでなく、大和棟を引用したトップライトからも自然光が満ち溢れ、山影の暗さを感じさせない様配慮し、サイクロイド曲線を用いた架構により、空間に外部とは対比的な完結性を持たせた。素材感と力強さを生かすため主要な部分は構造材をそのまま意匠として機能的に表現している。
 天候に左右されない多目的な活動スペースとして施設が有効に利用され、その空間体験が若い心に思い出として刻まれれば幸いである。

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