ゆずり葉の歩み

設計作品

受賞暦

お問い合わせ

トップページ > ゆずり葉の歩みトップ > 新聞掲載情報 > 韓国で作品集『Pro Architect』出版/毎日新聞

ゆずり葉の歩み

韓国で作品集『Pro Architect』出版/毎日新聞

2000.7.6 毎日新聞
book_c05機能的過ぎる現代建築 生活重視、環境と共生へ
「人間的な癒しを感じさせる」-と大阪市在住の建築家、徳岡昌克さん(70)-の建築が韓国で注目され、作品集がこのほど、同国の建築世界社から出版された。スペインのアントニオ・ガウディはじめ世界の著名な建築家を取り上げたシリーズの1冊で、日本人では伊丹潤さん、伊藤豊雄さんに次いで3人目。徳岡さんは韓国の大学でも講演するなど国際交流を深めている。

出版されたのは1巻で一人をとり上げる「Pro Architect(プロ建築家、PA)シリーズの第17巻。「Masakatsu Tokuoka」のタイトルでA4判、224ページ。
徳岡さんは事務所設立後、約80件の建築を手がけたが、その中から第6回福岡県建築住宅文化大賞(1993年)を受賞し、建設省の公共建築百選にも選ばれた同県田川市文化エリア(美術館、図書館など) はじめ計12点がカラー写真入りで紹介されている。徳岡さんの文章10編のほか、西村征一郎・京都工芸繊維大学教授と上野淳・東京都立大教授の徳岡論も掲載されている。文章はハングル、英語、日本語の3カ国語表記。日本語が掲載されたのは、このシリーズ中で初めてとなった。
 出版のきっかけは、徳岡さんが2年前に出した「建築-生き様のデザイン」(彰国社3200円)。これを徳岡さんの次男で、同事務所社長の浩二さんが、釜山にある仁済大学の田采輝・建築学科教授に交流会で見せた。田教授は作品に注目、韓国でも出版したい、と話が持ち上がった。その後、韓国の建築世界社から鄭光泳社長と徐敬源編集長が来日。二人と会った徳岡さんは「まじめな人だ」と感じ入り「一切お任せします」と承諾したという。
その後、徳岡さんは同大学に招かれて講演。90枚のスライドを使って話したところ「学生は一生懸命聞いてくれた。質問も盛んで、日本の大学とは大違いでした。」と言う。田教授と徐編集長のロングインタビューも受けた。韓国側からは特に日本的な感性や伝統との関わりなどに興味が示された。その記録は作品集に収録され、徐編集長は徳岡さんについて「人の心を癒してくれる植物性建築家である」と賞賛している。

mainichi小磯記念美術館や豊中の伝統芸能館 -作品に多い文化施設
 徳岡さんの作品を、上野・東京都立大教授は「表現手段のためのデザインではなく、そこで息づく人々の生活のための建築」だとし、徳岡さんを「人間性の建築家」と呼ぶ。具体的には、神戸市立小磯記念美術館や豊中市立伝統芸能館など文化施設が多く、大きな傾斜屋根で自然素材を用い、常にローコストを心掛ける。また周囲の環境を損ねず、共生を目指しているのが特長だ。徳岡さんは建築について「現代の建築はあまりにも機能的で、情感や『癒し』に乏しいのではないか。医者も今は、臨床よりすぐ検査をしてしまう。しかし検査(の数字)には出ないものもある。それが『癒し』です」と話す。徳岡さんは郊外に家を建てる時、ガラスの使用をなるべく少なくする。なぜなら、ガラスに鳥がぶつかって死ぬからだという。だからガラスを使用するときも、鳥がぶつからないように配慮する。「建物はヒナを生んで育てる場所で、心の安らぎや『癒し』は本来、建築の持っているものです。建築とは、その中にいれば、人の心を元気にさせるものです」という考えもそんな心配りと無縁ではない。
 徳岡さんは33年勤めた竹中工務店を退職して事務所を設立。すぐ注文が取れるのは竹中工務店時代の顧客だったが「それでは、これまで縁を結んできた会社の顧客を取ることになり、私の心情に合わない」と、一から見ず知らずの自治体を回り、コンペに参加してきた。その結果、公共建築が多くなったという。

page_top
Copy Right (c) 2009 Tokuoka Masakatsu Architects.LTD All Right Reserved