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『季刊文教施設77(2020新春号)』に徳岡浩二連載記事が掲載されました

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建築家のつぶやき学校づくリに思うこと

(株)徳岡設計代表取締役社長 徳岡浩二

学校教育は家庭と地域を基盤とし、理念(ソフト)人材、施設(ハード)の一体的、総合的な構築が不可欠である。現在の混迷は、これらの連携の希薄さに加え、情報化社会と地球環境時代の進展を先取り出来ていないことにあると考える。ソフト面では教育における責任の所在を明確にして、関係者と共創することが重要であるが、ハード面での課題も多岐にわたり山積している。ある過疎地の学校の計画に関わった際、基本構想の理念に「都市にはない豊かな暮らしの実現」が挙げられていた。それを実現する提案として、地域存続に不可欠な次世代人材の育成には、児童、生徒一人ひとりが自ら学ぶ力を養成できる選択性の高い多様な教育を備え、個性を大切にした、きめの細かいカリキュラム対応の構築を継続、発展させていくことが重要とし、少人数であることを長所として活かして、一斉授業が一般的に定着している都市部では困難な個別・グループ学習やクラス、学年の枠を超えた柔軟な学習と自己研鑽に励み成果を発表することの出来る環境を提供していくことが、効果的であるとした。また、これまでの一斉授業が平等を背景とした同質性の高い暗記、知識重視型であったことに対し、今後に必要とされる個別重視型学習は、多様な機会、集団による創造的教育であり、将来、人工知能とも協調していける感性や発想力に加え、説明、表現能力の向上を目指した方法であるとした。そのための多様な空間を芸術・文化教育や体育、課外授業を含めて校内に構成することを目標と
してゾーニングし、場の特性を生かし信頼性の高い防犯・防災性能にも高い次元で応え得る計画が必要とした。一方でこのような、主体性、能動性を重視するアクティブ・ラーニングは、「都市にこそ必要な教育のあり方」であるとも再認識させられた。

比較的抵抗感なく学習参加人数の推移にも適応しやすく、同時に思考力や探求力、バランス感覚や思いやりを養い、外国語の早期一貰習得をも支える基本的な協働・対話能力、教養、反省力など全人教育へと導く基本となると思われるからである。同時に生活環境の改善・向上の先導的役割を担えるよう温熱・光・音環境およびユニバーサルデザインによる教育現境の抜本的な改革を行うとともに、教職員の意識改革にも繋がるアメニティ向上もはかるべきであり、また地域とは相互協力協定を締結するなどによる新しい相互協力体制の構築が必要であると考えた。限られた敷地で実現するためには、空間の重層化、複合化、兼用化しつつ様々な可能性を比較検討していくことで、きっと魅力が現れてくるように思われる。前例踏襲や横並び意識、予算などの理由により自由度が少ないのが残念であるが、統合再編などあらゆる機会を活かして「教育劣化」という「社会的危機」から脱却する糸口を見出さねばならない。「学校は人が創るがその環境が人を創る」という学校づくりの「やりがい」に使命感を持って取り組んでいきたい。

◆学校空間の多様化のために導入を検討したい諸室
・講堂(多目的文化・音楽ホール)、展示ギャラリー
・メディアセンターの充実、地域図書館との連携、自習室の設置
・日本文化の継承発展目的、和室(茶室、文化財の校内移築なども視野に)、武道場
・教師スペースのブース化、ロッカー休憩室設置、カウンセリングルーム、教師ラウンジ

◆教育・学習環境の改革策
・温暖化対策、温熱環境向上と負荷低減のため(教室の空調·換気設備の整備と高断熱化)
・自然採光の制御(法的見直しを含む)による光環境の適正化(熱負荷軽減・グレア防止)
・防音・吸音性能の向上、音響・映像設備の充実
・校内のIT 化、トイレの個室化、バリアフリー化(災害避難施設としての地域利用を視野にBCP対策)
・統合などによる跡地は、健康増進のための運動公園として整備する。

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