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リフォームで住まいをバトンタッチしていくという考え方

◇ヨーロッパ型の生活スタイルは環境にもやさしい

リフォームというと、現代的なトレンドのひとつとしてとらえられがちですが、ヨーロッパでは、伝統的な生活文化として古くから根付いています。ヨーロッパを初めて旅行すると驚かされるのは、数百年前の古い石造りの建物が、市民生活の中に普通に共存していることです。パリなどはその代表で、建物は歴史的なストックとしてそのまま受け継いでいき、室内の内装だけをリフォームして、時代に合わせて快適にしていくという暮らし方が成立しています。いわば、歴史的な必然性として、リフォームの文化が根付いているわけです。
翻って現在の日本では、「住宅は消耗品」という意識が主流ではないでしょうか。インテリアなども、古くなったり飽きたりしたら、簡単に捨てるという生活スタイルです。ヨーロッパ社会では逆に、建物も家具も、古いものほど価値があるという意識が定着しています。ですから彼らは、簡単に壊さないし、廃棄物をムダに発生させたりしません。つまり、リフォームを基本としたヨーロッパ型の生活スタイルは、ゴミをつくらないという意味でも環境にやさしい暮らし方なのです。

◇「スケルトン・インフィル」で内装だけを更新

最近では日本でも、マンションや戸建住宅などで、「スケルトン・インフィル」という思想で設計された物件が見受けられるようになりました。スケルトン・インフィルとは、建物の構造はしっかり長持ちするようにつくっておき、建物内部はあとあと自由にリフォームができるように設計しておくという考え方です。こうした住宅であれば、世代交代しても、内装だけをやり変えて暮らしの快適度を向上させつつ、家は代々引き継いでいくことができます。ヨーロッパ型の生活スタ イルを、現代の日本に置き換えた住まいづくりといえます。
日本でも、何代も続く旧家では、何百年間も住まいを引き継いでいる事例がありますが、戦後普及した都市部における一般市民層のライフスタイルは、手軽に住宅を建設し、手軽に住み替えたり、建て替えたりする、量産消費型の住宅需給でした。地球環境保護を課題とするこれからの時代に、そうした消費型の住宅供給ス タイルはやはり問題があります。
そこで見直されるのが、リフォームのメリットです。建て替えのように大量な廃棄物を出さないので、環境に大きな負荷をかけることはありませんし、リサイクル材を積極に使い、ムダがない、有害物質を出さない工法を選べば、さらに環境にやさしい建築といえます。

◇リフォームをきっかけに窓からの景色を楽しむ生活スタイルをつくる

地球環境など、大きな視点からの「環境との共生」も大切ですが、リフォームの際には、住まいの身近なところにある環境との共生も考えるようにしてはいかがでしょうか。例えば、リフォームだからこそ、家のまわりの風景を見直すという作業も、周辺環境と共生する重要なポイントです。
家の窓から見える外の景色というのは、暮らしに潤いを与える貴重な要素です。欧米では昔から、窓に映る美しい景観を「ピクチャレスク」(=まるで絵画のような美しい様子)として愛してきました。普段見慣れた風景も、窓によって切り取られると、違った一面や魅力が発見できて楽しいものです。
そこでリフォーム時には、暮らしに潤いが生まれ、四季折々の季節感が楽しめるように、窓から見える景観に、ひと工夫されてはどうでしょうか。窓枠だけでなく、カーテンなどの飾りを入れてバランスをとり、窓の景を強調するようにすればより効果的です。
都会の住宅では、プライバシーの問題などもあり、なかなか窓からの景色を楽しむゆとりはないかもしれませんが、そこは工夫次第で、季節の潤いをうまく取り込 むことができます。庭があるお宅であれば、ガーデニングや植栽で、窓から常に草花や樹木が見えるようにしておくのもひとつの方法です。外からの視線も遮りつつという条件をクリアするのであれば、ルーバーやすだれ、格子を窓の付近にしつらえるのも一案です。四季を通じて自由に豊かさを表現する楽しさを、リフォーム時にぜひ室内に取り入れてください。徳岡浩二

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