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良き設計コンペの条件-審査員に利用者の視点を-

2006/06 No.1104 建築ジャーナル 

建築家の本音-問題山積み。でも、可能性ある選定法-

 コンペは文化的行為である。それは同じ敷地、同条件にもかかわらずすべて異なる多様な設計提案がなされていることによって、建築のひいては人類の可能性を広げるからだ。また、建築技術の進展や、設計事務所の業務能力の向上にもつながる。
 だが現状では、問題点が多い。応募者、審査員ともに経済的支援に乏しいことがある。建築家が意欲的にコンペに参加するほど、その費用が事務所経営を圧迫する。また、審査員は十分な報酬がなければ審査に十分な時間をさくことができないばかりか、選定後に責任を持つことは困難だ。
 建築家のみで構成される審査は、デザイン重視で使い勝手やコスト(ランニングコスト)が軽視される傾向がある。審査員には、永続的に利用者となる市民を必ず加えるべきだ。むしろ建築家は審査に加わらず、専門家としてテクニカルアドバイザーに徹すればいい。同じ立場では情がからむケースも多いからだ。
 コンペは才能ある建築家を見出す機会となる。しかし、「若いだけの建築家」を採用する必要はない。市民は「若さ」ではなく、斬新で質の高いものを求めている。実績は安心要素の一つであり、重視されていい。しかし、コンペであるなら、所員数など量で選定すべきではない。あくまで提案の質で選定すべきだ。
 良い建築は、地域の文化性を高める。そのまちに合った建築は少なく、まちなみは混乱している。この状況を改善したいといつも考えている。建築は一つの仕事に10数年かかることもあり、一生にできる件数は限られている。良き建築をつくる機会を得るために、私はこれからもコンペに挑戦し続けたい。

徳岡浩二

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