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ゆずり葉の歩み

住まいづくりの現場から part.2

建築家カタログ

建築家カタログ2006-2007

かたちへの希求 Design Image
徳岡浩二

「かたちが強い」―建築への評価はこの言葉に尽きるでしょう。もちろんその評価には使い勝手や快適性、耐久性などの観点もありますが、空間への思いは「かたち」に収歛されます。かたちは「心」を集約するメッセージなのです。法的な規制も含め、さまざまな社会的条件をクリアしながらつくられる建築のかたち。しかし誰にでも評価することができる「使い勝手」は難題です。どんな名建築も「使い勝手が悪い」と一刀両断にされてはかたなしですが、機能を欠いていてはつくる目的そのものに意味がありません。写真家の村井修氏いわく、「彫刻的な建築といっても建築は彫刻には及ばない、なぜなら建築には機能があるから」。確かに絵画や彫刻も、造形により感動をもたらす芸術ですが、機能と美を追求する建築には作り手と住まい手の「対話」が大切です。公共建築でも不特定多数の利用者や管理者の立場でそのあり方を考え、社会的弱者への思いやりを忘れてはなりません。また、建築づくりにとって最大の制約はコストでしょう。良い建築は金よりも知性と趣味を要求するといわれますが、プロとしての仕事に予算オーバーは禁物です。コストの厳しい時には「簡素な美しさ」を求め、「素肌美人」を目指します。そしてさまざまな困難を克服しながら、「対話の芸術」といわれる建築を「妥協の産物」に貶めてしまわないように、自らの信じた「かたち」を実現するために、絶え間ない検討と粘り強く説得を繰り返す「熱意」が不可欠なのです。

環境共生への課題 Sustainable Design

環境共生という言葉をよく耳にするようになりましたね。電力やガス会社、メーカーは競いあって「お得プランの提案」を持参してPRしますが、節約を心がけるのが一番お得なのは自明の理。エコロジーの提案を客観的に分析して総合的にコストの低減をはかり、長所と短所を分かり易く説明するのも建築家の仕事です。住宅の設計でも、「地球環境に優しい素材を採用しましょう!」と大それた提案をし、誰に頼まれることなく省エネルギー、省資源に配慮して、その家が廃棄される際の環境影響まで考えてしまうのは不思議な感じかもしれませんが、建築家にとってそれは使命なのです。人の生活に不可欠な建築は、創ることそのものが、自然との対立関係にあります。21世紀になっても石油を巡って世界には争いが絶えません。だからせめて悪影響を最小限に抑えることが持続可能な社会(職業)として必須の条件なのです。「庭にはたくさんの木を植えましょう!」という提案に、「落ち葉を掃除するのは私なのに…」と愚痴をこぼさないでくださいね。きっと四季の彩が、あなたの生活に潤いを添えてくれるに違いないのですから。

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