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高優賃貸住宅「ベルデ石切」の取り組み/2003.5.30建設通信新聞

ベルデ石きり
:制度活用し低コスト・高サービス 高齢者向けの新しい住宅供給システムとして高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)制度が注目されている。
2001年施行の「高齢者の居住の安全確保に関する法律」にもとづき、民間事業者に対し国・都道府県が建設費・入居費を助成する。
: 選べる間取り 従来の特別養護老人ホームと異なるのは、間取りや広さを入居者が選択できるなど、ユーザーである高齢者の自主性が確保されている点だ。大阪府東大阪市西石切町に完成した「ベルデ石きり」は、高優賃制度のほか都市基盤整備公団の民営賃貸用特定分譲住宅制度(民賃制度)などを活用することで建設コストと入居者負担を軽減、公的サービスと民間事業者の利点を生かした低コスト・高サービスの高齢者向け住宅を実現している。
ベルデ石きりは、高齢者の自立を基本とし、入居者が従来どおりの生活を営めるよう所持品を多く持ち込むことを想定した内部空間となっている。近鉄新石切駅前の至便な立地に加え、西側には生駒山系をのぞむロケーションにも恵まれている。設計を担当した徳岡昌克建築設計事務所の徳岡浩二社長は「現在の高齢者福祉は、重度の介護に力点が置かれているが、その一方で比較的健康な高齢者が自立した生活を営むことができる環境についてはいまだ不十分なまま。高齢者が尊厳を持って生活できる空間を追及した」と話す。
竹城台の家が『建築家と喜怒哀楽してつくる家』に掲載されました
2003.4月刊建築ジャーナル/編集部が選んだ52人・大阪篇 落ち着きは「統一感」と「視線の対話」から
<抜粋>
ピアノを弾く令嬢の絵。その額縁の前は中庭で、透かしのレンガの塀が建つ。小鳥が植栽の上でさえずる。実はこの「絵」、居間から見たピアノ室。窓枠が「額縁」に見える趣向である。「ここから練習に励む娘の姿や、家全体が見渡せます」と建て主のS.Mさん。家は、中庭を囲み「コの字」状に建つ。
「視線の対話」をテーマにした建築家・徳岡浩二さんのプランは、S夫婦には新鮮だった。1年かけて相談した4社のメーカーの案は「南側に庭」など、画一的なものばかり。そこで意を決して訪ねた建築家はとても独創的で気さくだった。「徳岡さんはインテリアも重視して設計を考えます。だから、週末の打ち合わせの後は恒例の「相談会」。詳細なリストを前に、タイルから照明器具に至るまで細かく選択しました」と話す夫のMさん。
室内はシックで、赤茶色の床板が白壁になじむ。カーテンやシャンデリアの金具には上品なゴールドのアクセント。部屋全体の色が、落ち着いた雰囲気を醸す。つくり付けの家具も深い赤茶。その一つ、今の収納棚にはテレビがピタリと納まる。オーディオ機器のセレクトやスピーカーの配置まで徳岡さんが配慮した。
「家全体に統一感があるのでくつろげ、時間がゆったり流れます」とMさん。「とくに朝、庭に出て木々に水をやるのが楽しい。表情豊かな赤レンガもいい。四季の変化をカメラにおさめ、年賀状に使うつもりです」。
竣工したとき、「ここ、私の家?」と喜び、跳ね回った子どもたち。精魂込めた家で、家族との一体感のなかで暮らす。玄関のガラスのオブジェは「集い」を表現した徳岡さんとグラスアーティスト・三浦啓子さんとの合作。朝の光で清楚に輝く。
『建築―ゆずり葉のデザイン』
著書 徳岡昌克
発行所 日刊建設工業新聞社
発売元 相模書房
編集 南風舎
印刷 廣済堂
はじめに
ミース・ファン・デル・ローエは1965年頃、建築は時代が属する文明の尺度だとして建築の乱れを嘆いていた。すでにその頃から多くの挑戦者が現れてミース風にいえば建築はできるだけ風変わりに創ろうと試みられてきたとも言える。葉巻をくゆらせながら、シカゴで窓外に眼をやっていたミースの胸中に去来していたものはなにか。1922年ガラスのスカイスクレーパーを発表して以来、アメリカの工業化の波にのってミースの現代建築に果たした役割の大きさは誰も否定できない。いまなおミースの教義の真髄をわきまえて表現すれば高い評価が得られるのではないだろうか。IITではいまもミースの教えにのっとった教育が行われているとか。教える側にすればミースのように教条的に教えることができれば幸いかも知れない、教わる方も確実に身につくものがあるのではないだろうか。
私が受けた建築についての手ほどきは京都工業専門学校(現京都工芸繊維大学)でのわずか3年間のことではあったが、それぞれの教科について諸先生が情熱と哲学、人生観をぶつけての講義だった。場所が京都だったのもよかった。古いが新しく美しいものが見られた。教条的な教え方ではなかったが、自分自身の美しいものを見る目を養う教育を受けたと感謝している。教科は建築の計画、意匠、構造、設備全般にわたっていたから基礎的な素養は身についた。初心者に建築を教えるということは、建築づくりの心得、基礎と情熱と哲学を持って伝えるしかない。この著作が、若い人たちの役にたてば幸いだ。1951年の卒業時にすでに級友たちはライトやコルやミースのことを話題にしていたが、私は仲間に入ることなくただ教科をまじめに学んだ。
卒業後14年間竹中工務店で設計に従事した後、賜暇を得て1965年から2年間アメリカの設計事務所で働いていた。帰国にあたり2ヵ月間、アメリカ、カナダ、ヨーロッパを廻って、復職してからやっと気にしだしたのだが、通算満52年間建築とはなにかを追い続けている。
私は本質的に光と影が建築を創ると思っているのだが、建築を構成してきた材料の持ち味にも想いがいたり、文化の香りを嗅ぎ取ることができる。建築の設計にあたり、その土地の状態、気候、地味、人情、固有の文化に私の創る建築がよりどころとする多くの示唆を得ている。建築が構成する街並みや都市についても同様に、既成概念や安易な模倣、素養のない独りよがりな思いつきを独創的だとして日本の風土になじまない行為の果て、国土の景観が損なわれているのを観察している。日本では政治・経済はもとより文化・芸能の分野に至るまで東京一極集中が進む状況は寒心にたえない。
私は情報発信のテクニックや評価の受け売りではなく、自分の目を信じて語る素養を持ちたいと書き出してきたが、果たして読者の共感を得られるだろうか。
グループホーム読本~痴呆性高齢者ケアの切り札~
グループホーム読本 ~痴呆性高齢者ケアの切り札~
づレール離宮西須磨
フレール西須磨は、在宅介護支援センター、特別養護老人ホーム、シルバー住宅と複合的に計画されたグループホームです。地下1階、地上1階の在宅介護支援センター、2階、3階の特別養護老人ホーム、4階のシルバー住宅に併設して、3,4階にグループホーム2ユニットが計画されています。ユニットには個室6戸のほか、食堂、台所、座敷、浴室、その他の共用スペースが備えられ、各フロアが独立したグループホームです。
フレール魚崎中町と同様、住宅都市整備公団が震災復興事業として建設し、神戸市が公営住宅法に基づく借り上げ公営住宅として全戸一定期間借り上げる形で運営されます。入居予定者は仮設住宅に入居している痴呆性高齢者が対象であるため、生活の変化を少なくするために、仮設住宅と同様、何室かは畳敷きとしてあります。また、トイレへ移動しやすくするため、居室内に引き戸は設けていません。居室間の壁(耐震壁以外)は乾式工法とし、将来コミュニケーションドアの設置が可能なように計画されています。バルコニーから居室へ移動できるようバルコニーに隔壁を設けていない他、洗濯物を干したり、ベンチを出したりできるやや広めのバルコニーを設けてあります。
台所の調理台については、入居者が参加しやすいアイランド型として、調理よりも配膳を主体として計画されています。また、閉じこめられる恐怖感を解消するため、扉の設置や鍵等はできる限り設けないよう建築的配慮を加えた他、談話コーナーに畳の小上がりを設け、さまざまな大きさの共用空間を入居者が選択できるように計画されています。
この他、3,4階の眺望を活かし、浴室に窓を設け、入浴時のリラクゼーションを図っています。脱衣室の床の仕上げを、入居者が床に座り込んで脱衣・着衣が可能なように葦簀にする等の工夫がなされています。
『甲子園の家』が「建築ジャーナル」に掲載されました
空間を最大限に有効利用した都市型住宅
戸建住宅が集合住宅と大きく違うのは空に開かれ大地に接していること、展開するすべての面に開口部が設置できることです。土地の真上は気兼ねなく利用できる面ですから上手に活かして光や熱を取り入れたいものです。3階の中廊下にはトップライトをとり可動ルーバーで太陽熱と光量を調整し、夏季には熱だまりの空気を排出できるよう計画しました。
各階は積層する大地としてのテラスやバルコニーを設け、内部空間と連続させる。それで空間に広がりを持たせつつ快適性と安全性を高めるように考慮し、各室は可能な限り2面開口として良好な自然通風と採光を可能にしています。
緩やかなつながりのある家
玄関と勝手口、リビングダイニングと水廻り、庭とテラスはそれぞれ円滑なサーキュレーション動線により連続し、機能的かつ家族の気配がお互いに感じられる気兼ねのない空間構成としました。街並みと調和しながら個性を感じさせるデザインを採用し、通りや対面する住宅とも緑をスクリーンにして視線を優しく遮りながら快適に連続するように配慮しています。各室は内装だけでなく、その位置や方向により空間や窓の外に広がるシーンに変化をもたせ、内外の多様なスペースの中にお気に入りの場を見出していただけたらと考えています。
合理的でフレキシブルな住空間
車庫に隣接した1階物置や各室のクローゼットや物入れ、和室と隣接した板間など、それぞれの生活行為に応じた使いやすい収納スペースを適切に確保するように努めました。丈夫で耐久性に優れた骨格に包まれた、整形な各室は家具などのレイアウトの自由度が高く、成長発展が容易な空間として長寿命でメンテナンスの容易な建築づくりを心がけました。





