ゆずり葉の歩み

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ゆずり葉の歩み

『能登川町総合文化情報センター』が日経アーキテクチュアに掲載されました。

能登川町総合文化情報センター

<抜粋>日経アーキテクチュア 1999.3
集落思わせるたたずまい ~三つの施設が連携を保つ~/森 清

 滋賀県能登川町は、琵琶湖に接する人口約2万3000人の町だ。水田が広がる風景を象徴するように「水・緑・人が輝く水車のまち能登川」をキャッチフレーズとする。縄文時代の遺跡をはじめ、多くの貴重な遺産が発掘されている場所でもある。
 こうした文化財の調査や整理、その紹介などを目的とする埋蔵文化財センター(埋分センター)、図書館、博物館からなるのが「能登川町総合文化情報センター」である。三つの施設が連携を保ちながら運営されていることが大きな特徴だ。
 例えば、博物館と図書館の二つのカウンターをつなぐように郷土資料のコーナーがある。その近くに端末が置かれ博物館で所蔵する約1万点の民俗資料の一部を検索し、実物を見ることができる。埋分センターも博物館で企画店などを実施している。
 なかでも博物館はユニークな施設だ。「いつも同じ物を展示しているのではリピーターは来ない。常設展示をやめて、住民の活動の場としても使ってもらおうと考えた。(図書館・博物館の館長を兼務する才津原哲弘氏)。97年11月のオープン以来1年間で、住民主体の展示も含めて47のイベントを開いている。
 三つの機能を包む建築は、土地にしっとりなじむように建つ。「敷地周辺にある集落は、よいたたずまいを残す。それらは風雪から自然発生的に生まれたもので、屋根が単純明快でシルエットが美しい」と設計者の徳岡昌克氏(徳岡昌克建築設計事務所)は言う。越し屋根をいただく大きな銅版の切妻は集落同様、降雪に配慮したものだ。また、それぞれの機能を分節して配置することで、集落との連続感を生んでいる。
 図書館ではワンボリュームの空間に大きく一般用と子供用の書架が並ぶ。「書棚の間に入っても周囲を見通せるオープンで大らかなスペースとした。地元の製品を使うことで、住民はより愛着を持ってくれるだろう」(徳岡氏)。屋根裏のタペストリーは朝でつくられた地場製品だ。
 徳岡氏は「建築がファッショナブルで、近寄りがたいものとなってはまずい」と主張する。サスティナブルであるための素材選び、省エネへの配慮など、流行に左右されないデザインスタンスが最近にあってはかえって新鮮に映る。

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大阪府立今宮高等学校の開閉式プール上屋について

大阪府立今宮高等学校

1997年3月[NO.6]ステンレス建築

1. 大阪府立今宮高等学校は明治39年3月、府立第10番目の中学校として設置され昭和23年4月、学制改革により今宮高等学校と改称、昨年創立90周年を向かえた府下屈指の伝統を誇っている。平成8年には大阪のモデルスクールとして総合学科が開設され、生徒一人一人の個性、創造性を伸ばすため自由な選択科目や少人数指導をとりいれた教育改革の中心的役割を担うこととなった。

 同校の改築設計にあたっての課題はその更新に当たり可能な限り学校運営に支障を与えず、尚かつその歴史と伝統にふさわしい校舎を設計することであった。旧校舎は日本建築学会による「建築学的に見て基調と思われる近代建築二千棟」のリストの中に、北野高等学校校舎とともに上げられており、縦線を強調したモダンな外観に特徴を持つ個性的な学校建築であった。新校舎はこの旧校舎と対峙して建設されることとなり、改築の意義を客観的に体現することが暗に求められていた。image01

2.配置計画
 配置計画にあたっては、近隣への影響の少ない国道側に校舎を設置する案と、旧プールのあった敷地南東面に建てる案など数案が検討されたが、大阪の南の都心にあり、心の切り替えをはかりうるアプローチが特徴的で、騒音や振動の影響の少ない後者の案が採用された。地上にあった旧プールは、外部からのガラスビンの投げ込みや不法侵入、グランド、道路、工場からの砂ぼこりや煤煙の混入などの問題が指摘されており、屋上化、屋内化への強い要望が当初からなされていた。当時府立高校として前例のなかった提案に対し、財政上及び他校との公平さが障壁となり、交渉は難航を極めたが同様の要望を持つ他の2校とともに認められる事となった。方針としての承認は得られたものの経済的、技術的課題は多く、屋上に設置することによる荷重、設備負担の増や実績をもつメーカーの少なさ(開閉システムに関する一般、個別認定取得工法、業者)また、屋内化に伴う法的配慮(2方向避難、防火区画等)など、短期間に検討すべき内容が山積していた。

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『国立曽爾少年自然の家』が「hiroba」に掲載されました

国立曽爾少年自然の家

国立曽爾少年自然の家

 国立少年自然の家は日本の学制百年を記念して始められた事業である。ここ曽爾少年自然の家は、全国に13ヶ所ある1つであり、昭和56年開所以来近畿・中部地区の大勢の少年たちに利用されている。
 計画地は室生、赤目、青山国定公園に位置し曽爾高原の麓、杉の植樹林に包まれている。
 建物の外観は軒先を低く押え、切妻屋根の直線的なデザインとし杉木立と呼応して軽快にスラブを支えるピロティの柱と共に構成はもとより色彩的にも周辺環境と調和させた。
 内部は、活動スペースにおけるアクティングエリアを十分確保しながら、両サイドからの均等な通風採光だけでなく、大和棟を引用したトップライトからも自然光が満ち溢れ、山影の暗さを感じさせない様配慮し、サイクロイド曲線を用いた架構により、空間に外部とは対比的な完結性を持たせた。素材感と力強さを生かすため主要な部分は構造材をそのまま意匠として機能的に表現している。
 天候に左右されない多目的な活動スペースとして施設が有効に利用され、その空間体験が若い心に思い出として刻まれれば幸いである。

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『大阪府立今宮高等学校』が「hiroba」に掲載されました

大阪府立今宮高等学校

大阪府立今宮高等学校

 昭和8年に竣工した当時としては斬新な旧校舎を機能的、意匠的に分析し、光と影を美しく際立たせるタテラインを強調したデザインと特徴的要素を現代的に表現し、伝統の継承と発展をテーマに個性的でさわやかな教育環境創りを目指した。今回改築された管理・普通教室棟とブリッジ、ポケットパークにより内外空間が豊かに、かつ学習内容により特徴づけて調和させた。国道26号線から玄関を貫き中庭へ至るメインアプローチは喧騒から学習の場に至る過程の重要なコミュニケーションをもたらす中間領域として、連続する桜並木と中庭の列柱により、伸びやかに発展性を暗示している。周辺地域に開かれた中庭とグリーンベルトは、貴重な緑のストックとして、魅力ある都市環境創りへ積極的に貢献している。文化活動の拠点としての多目的ホールや校地の有効活用をはかった開閉屋根付屋上プール、各階が学年章をテーマカラーに光環境を重視して構成された普通教室などの新しい施設が生き生きと活用され、伝統ある公立校の誇りと愛校心を育くみ、未来に向かって更に発展成長していくことを期待している。

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『新高の家』が『ハウス&ホーム』に掲載されました

新高の家 ハウス&ホーム
1994.7 ハウス&ホーム 小さな敷地に建てた広々住宅 『新高の家』

車庫と倉庫の鉄筋コンクリート造の上に木造で住宅部分をつくった3階建て

この家の敷地は東隣の母屋の駐車スペースであった場所です。敷地を有効に利用するために、1階が鉄筋コンクリート造(RC造)で、2・3階が木造の混構造の3階建てになりました。
 狭小敷地では木造3階建ても考えられますが、木造3階建て規制による開口部の制限や防火上の処理などの規制があるために、それらのゆるい混構造としたわけです。
 1回は車庫と倉庫なので、RC造にすれば防火上もクリアできます。また、車2台分のスペースが必要なことと、3階建てとすることから重いものを貯蔵する倉庫も確保したいところです。
 2階と3階は木造です。住居部分を木造にしたのは、木の材質のぬくもりが得られ、間取りが柔軟に計画できるからです。3階建てでは上下階の往来が多くなるので、階段の位置と幅員がポイントになります。この家では芯心を1050㍉とって、普通の階段より幅広くしてゆとりを持たせています。
 また、水回りもポイントの一つです。3階に水回りを配置する場合は公営水道から直接配管できるかどうか、事前に確認する必要があります。それができなければ受水槽とポンプを設置しなければなりません。この家では水道の圧力が高かったので、3階の浴室、洗面所には、ポンプを使わずに直接水道管から引き込むことができました。
 2階に約7.5畳の庭があります。ふだんの生活ゾーンが2階になるので、RC造の屋根を利用して人口庭園をつくりました。居間から眺めることができる庭園は、対面する建物に対する緑のスクリーンです。四季折々に咲く草木やベールとして垂れ下がる茎物は、地上の庭の植栽とも調和するように選んであります。
 3階は寝室と水回りに広めの収納部があります。日照を確保するためにトップライト(天窓)を効果的に使いました。しかし、トップライトをつけるに当たっては雨もりや結露、熱割れによるガラス破損に対処し、さらに夏の直射日光を遮断する対策をとっています。

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